2016.2.12
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新製品の紹介(プチ連載です)
27C256WRITER組立キット

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たまにはちょいと息抜きで小品も作ってみたいものです。
簡単にチョイチョイと…。
でも、なかなかそうは簡単にはいかなくて、いつものごとく回を重ねてしまうことになるのかも…。
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[第13回]


●27C256WRITERのプリント基板

部品実装済みの27C256WRITERの完成品の写真を前回お見せしましたが、実装前のプリント基板の写真はまだお見せしていませんでした。
こちらが基板表です。

基板サイズは60mm×100mmです。
こちらは基板裏です。


●DC/DC回路

27C256を書き込むときはVcc端子に+6.25Vを与えるとともに、Vpp端子に12.75Vを与えなければなりません。
そのような電圧を用意するのは現実的ではありません。
この2つの電圧はDC/DC昇圧回路によって+5Vから作り出しています。

こちらがその回路図です。


スイッチングレギュレータICにはNJM2360を使います。
この石は回路図のようにシンプルな構成で使えますし、出力電圧を抵抗で分圧してそれをpin5に加えることで出力電圧を決定することができます。
問題は分圧抵抗値を決定するための計算方法です。
ここが面倒だとなかなか使う気になれません。
事実マニュアルには難しい数字やらパラメータが並んでいるのですが、NJM2360のアプリケーションノートには典型的な使い方の場合の抵抗計算例が示されていて、これがしっかり参考になりました。

下は小電力昇圧回路の計算例です。

[出典]新日本無線 NJM2360アプリケーションノート

R2、R1を決定する式の分母には(400×10−9)×200なんてちょっと扱いにくい数字があります。
が、その計算の結果算出された15.6KΩに対して、それに近い現実的な抵抗値として15KΩを選択しています。
そうそう。
そこが肝心なところなのですねえ。
簡単に入手できるような抵抗値でなければ、せっかく計算する意味がなくなってしまいます。
しかし、R1=15KΩとするというところまではよいとしまして、R2=165KΩはどこからもってきた値なのでしょうか?
「R1・R2の比をあわせて設計値を決定」というあたりにヒントがありそうです。
やってみましょう。
R2=171.9×15/15.6=165KΩ
おお、ビンゴです。

しかし。
Vo=15Vのときはそれでよいとしまして、またR1=15KΩを固定とするのもそれでよいとしまして、しかしVo=6.25VやVo=12.75Vの場合に、まさか15Vとの比をぶっかけるなどというようなわけにはいかないでしょう。
かといって、いちいち(400×10−9)×200なんてのを計算して求めるというのもいささか気が滅入ります。
ま。
そう言っていないで強引にやってしまったほうが早いのですけれど。
ここは、後々のために簡単な計算式を導き出しておくことにいたしましょう。

R2のVoのみを変数にして、そこにR1の値を代入してみました。
計算の単位をあわせるために抵抗の単位はΩにして計算しました。
R2=Vo/((400×10−9)×200)−15.6×10
これはR1=15.6KΩの場合ですから、これをさらに15KΩの場合に直すと
R2=Vo*15/((400×10−9)×200×15.6)−15×10
になります。
分母を計算すると8×15.6×10−5=124.8×10−5
になりますから
R2=Vo×15/124.8×10−15×10
  =Vo×0.12×10−15×10
  =Vo×12×10−15×10(Ω)
  =Vo×12−15(KΩ)
おお。
簡単になりました。

この式を使うと
Vo=6.25Vの場合は
R2=6.25×12−15=60KΩ
またVo=12.75Vの場合は
R2=12.75×12−15=138KΩ
というように簡単に求めることができます。
めでたし、めでたしです。

27C256WRITER組立キット[第13回]
2016.2.12upload

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