2016.1.18
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新製品の紹介(プチ連載です)
27C256WRITER組立キット

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たまにはちょいと息抜きで小品も作ってみたいものです。
簡単にチョイチョイと…。
でも、なかなかそうは簡単にはいかなくて、いつものごとく回を重ねてしまうことになるのかも…。
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[第2回]


●ERASER(消去器)

前回写真を見ていただきましたが27C256は(27C1001もそうですが)ICの中央に窓が開いています。
このタイプのROMはデータを消去するのに紫外線を照射します。
UVEPROM(ultravaiolet erasable programmable read only memory)です。
AMDのAm27C256のデータシートを見てみましょう。


そのなかの消去についての説明です。



波長2537オングストローム(253.7nm)の紫外線ランプに直接1インチ以下の距離で20分ほど曝すことで消去できる、と書かれています。
紫外線消去型のデバイスはたとえば太陽光などに含まれる400nmより短い波長の紫外線によってもデータは消去される(ずっと長い時間はかかるが)。
データを書き込んだあとは、そのような光によって消去されてしまわないように、窓に光を通さないフィルムを貼って保護します。

ということで、UVEPROMを消去するためには、波長253.7nmの紫外線ランプを入手しなければなりません。
そんなものはどこで手に入るのかといいますと。
実は一般に紫外線殺菌灯として売られているものにちょうどその波長のものがあります。

これは私が昔からUVEPROMの消去器として使っている6Wの殺菌灯です。

もう20年以上使っていますから、随分長寿命です。
もっとも普通の蛍光灯のように毎日何時間もつけっぱなしにしたりしませんから、それで長く持っているのかもしれませんが。

ちゃんと殺菌灯と書いてあります。



「点灯中みないでください」と書いてあります。
太陽光に含まれる紫外線よりももっと波長が短くてさらに危険ですから点灯中は空き箱などをかぶせて直接光が目に入らないように注意する必要があります。

今回27C256WRITER組立キットを企画するにあたって、一番気になったのが、この「消去器」です。
果たして今でも入手できるのか?
と思ってネットで検索してみましたら、今でも入手できるようです。
一般にGL−6という型名で売られています。
もっともそれはランプ本体のみのことで、そのランプを点灯させるには写真にあるような器具(トラフ)が必要です。
これはちょっと特殊で普通の家電店とかホームセンターなどではまず置いてありません。
ですので中日電工では昔は照明器具メーカーから卸で仕入れてGL−6と組み合わせて安価な簡易型消去器として販売していました。
ところがこの器具の難点は普通の蛍光灯と同様にAC100Vで使うというところにあります。
そのため50Hz用と60Hz用の両方を仕入れなければなりませんでした。
それでも当時は両方仕入れてもそこそこ売れていきましたので、在庫になって困るようなことはありませんでしたが、さすがに今はそれはちょっと無理でしょう。
それにその当時割と安価に仕入れていたメーカーも今はなくなってしまいました。

消去器をなんとかしないことには、ROMとWRITERだけでは皆様におすすめすることはできません。
なんとかいい工夫はないものかと思って、ネットを検索していましたら、ダイソーで4Wの2WAYライトなるものを販売していて、それを使ってUVEPROMの消去をした、という記事をみつけました。
100円ショップながら400円の商品で普通のランプと4Wの蛍光灯を切り換えて使うというもので、乾電池で動作する、とあります。
その記事によりますと、その蛍光管の代わりに4Wの紫外線殺菌灯を使ったところ、ちゃんと消去できたということです。

さっそくダイソーにいってさがしてみたのですが、残念ながら今はもう売られていないようです。
それはそうでしょうねえ。
今や蛍光灯もLEDに取って代わられる時代なのですから。

残念ながらダイソーでは入手できませんでしたが、その記事は大いに参考になりました。
そうか。
乾電池(直流)で蛍光灯を光らせる製品があったんだ。
それを使えば、交流のように50Hzと60Hzを使い分ける必要がないので全国どこでもそのまま使えるじゃないか。

うむむ。
4W(6Wでもよいけれど)の蛍光灯で乾電池を使った照明器具はどこかにないだろうか?

ネットで検索しましたら。
みつかりました。


ブラックライトです。
ネットで検索すると同種の製品がいくつかみつかりますが、これが一番安価でした。
なんだか買ってすぐにこわれてしまった、とか余り芳しくない評価もありましたが、なんたって安い。
ということで、とにかく入手してみました。

単三乾電池4個で動作します。

スイッチをTUBEにするとブラックライトが点灯します。
新品のアルカリ乾電池を入れたのですが、それでもなんだかちょっと頼りない光です。
箱に簡単な英文があるだけで詳しい説明は全然ついていませんが、近紫外線(波長365nm)のランプのようです。
もちろんこの程度ではUVEPROMは消去できません。

スイッチをTORCHにすると前面のLEDが点灯します。

こちらは十分明るいです。
なるほどもうLEDの時代なのですよねえ。

さてこちらが別途入手した4Wの紫外線殺菌ランプです。

GL−4という品名で、インターネットで入手できます。

さっそく交換してとりつけてみました。

果たしてうまく点灯してくれますでしょうか。

自動車の窓に貼るUVカットフィルムを上からかぶせて撮影しました。

もっとも太陽光よりももっと強烈な紫外線ですから、こんなものでは防護の役には立たないでしょう。
この波長の紫外線は透過力が弱い、という解説記事を読みました。
そういえば、普通のガラスでは透過しないのでUVEPROMの窓にはソーダガラスではなくて石英ガラスを使う、という記事をずっと昔に読んだことを思い出しました。
それならUVカットフィルムでもいけるのかもしれませんが。
でも。
やっぱり心配ですから、光が漏れないように、上から箱か何かをしっかりかぶせて使うべきでしょうね。

そうそう、それで。
実験の結果です。
試しにいくつか書いたものを消してみましたところ、20分程度でちゃんと消去できました。

それはよいのですけれど。
これに箱をかぶせて使う(菓子箱などに入れて使う)、ということになりますと、どうにもあのスイッチでは使い勝手がよくありません。
スライドスイッチを真ん中にすると消灯するのですが、スイッチを操作して殺菌灯を点灯させてから箱をかぶせることになります。
その間短い時間ですけれど、紫外線を浴びてしまうことになります。
最近めっきり視力が衰えた身にとっては、余り気持ちのよいものではありません。
それは、おそらく皆様方にとりましても、同じお気持ちかと。
そこで。
改造してみることにいたしました。

27C256WRITER組立キット[第2回]
2016.1.18upload

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