2012.1.10

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復活!CP/M ワンボードマイコンでCP/Mを!
CP/MがTK−80互換のワンボードマイコンの上で復活します
ND80ZVとMYCPU80の上でCP/Mが走ります

[第1回]

●プロローグ

年の瀬もおしせまった昨年(2011年)12月の半ば、その少し前にND80ZVをご購入いただいたお客様から、1通のメールが届きました。
そのメールの内容は、思いもよらないものでした。

「CP/Mが走る”8ビットのミニコン”を製作してほしい」
という、製作依頼のメールだったのです。

そのメールはかなりの長文でした。
そのお客様(かりにY様と呼ばせていただくことにします)の熱い思いがあふれていました。

ただの酔狂や道楽ではありません。
今日の日本のありさま。将来を担うべき子供達、青少年の置かれた環境。とりわけゲーム漬けになって、創造する、作る喜びを味わうことなく育っていく子供達。
十分に栄養を吸収して育っていくべき子供達を、まるで砂糖水漬けにしているのではなかろうか?

このままでよいのだろうか。
次代を担うべき子供達に、私達大人が与えるべきものがあるのではなかろうか。
だれか彼らに一杯のミルクをこそ与うべき。

私達の世代が育っていった環境は、モノは決して豊かではありませんでしたが、そこには、作り、工夫し、育てていく喜びがありました。
かって産声をあげたばかりのマイクロプロセッサに出会い、その魅力にとりつかれた青少年、子供達が、やがて成長して、今日のコンピュータ社会を作り、育てていく礎を担うことになりました。

ひるがえって、現在の青少年、子供達には、かっての私達が驚嘆し、熱狂し、そしてとりつかれた、あの8ビットのミニコンピュータのようなものがあるでしょうか?

かって多くの若者にとって高嶺の花であった”8ビットミニコン”に代わって、今やその昔の大型コンピュータの能力をもはるかに凌ぐ高性能パソコンが、誰でも安価に入手できる時代になりました。

しかし、そのパソコンは、はたして、かっての青少年が熱い思いを注いだあの”8ビットミニコン”に代わるべき存在たりうるでしょうか?

かっては、その”ミニコン”にとりつかれた若者達が、限られた雑誌などから得た情報をもとにして、ハードを調べ、ソフトを工夫し、新たなゲームやツールやビジネスソフトを作り、発表し、交換をし、そしてそのなかから、スティーブ・ジョブズ氏やビル・ゲイツ氏や、そしてその他の数え切れないほど多くの技術者達が育っていきました。

今日のパソコンはかっての”ミニコン”とは比較にならないほど高性能です。
ソフトウェアも高度に進化しています。
しかし、それはほとんどの人にとって中味の見えないブラックボックスに過ぎません。
若者や子供達が理解し工夫し知識を身につけていくための素材、道具としては余りにも複雑なものになってしまいました。

確かにパソコンは便利です。
Windowsのおかげでインターネットも身近になりましたし、便利なさまざまなツールも即日ダウンロードして使うことができます。
ビジネス、教育、医療、行政、その他のあらゆる分野において、もはやパソコンなしではなにもできない、というほどの存在になっています。

しかしその一方で、工夫し、学び、育てるための素材、道具ではなくなってしまったことも事実です。

もしも、あの時代に戻ることができたなら…。
あの時代に戻って、昔の創世期の”ミニコン”を今の時代に持ってくることができたなら…。
その”ミニコン”に触れる今の青少年、子供達のなかから、未来のジョブズ氏がきっと育ってくれるに違いない…。

過去に戻って、昔の若者達が熱い思いを注いだ、あの”ミニコン”を、今の時代に持ってくることはできないものなのだろうか。
Y様は、「長い間、ずっとその考えを温め、それを実現するための手がかりを捜し求めてきたのです」、とメールに書いていらっしゃいます。

「そして、中日電工のサイトにたどりつきました。」

ワンボードマイコンでCP/Mを![第1回]
2012.1.10upload

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