2012.7.18
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復活!CP/M ワンボードマイコンでCP/Mを!
CP/MがTK−80互換のワンボードマイコンの上で復活します
ND80ZVとMYCPU80の上でCP/Mが走ります

[第176回]


●PIPコマンドについてメールをいただきました

前回、CP/MのPIPコマンドについて「PIPでは何を意味しているのかさっぱりわかりません」と書きましたところ、読者の方から「PIPは由緒正しいコマンドです」というメールをいただきました。

ものを書くというのは、なかなかに難しいものです。

実は、当連載を始めるそもそものきっかけになりましたY様から送っていただいたCP/M三部作([第2回]参照)の「入門CP/M」及び「実習CP/M」(いずれも村瀬康治著。アスキー出版局)には、PIPコマンドはかなりのページを割いて解説されています。

もちろんそれを読みましたから、当然、私はその意味を知っています。
PIPはPeripheral Interchange Programの略なのだそうです。
周辺装置間のデータ転送プログラムであると定義されています。

知っていながら知らないそぶり、じゃありませんけれど、面倒だからということで、つい簡単に片付けてしまいますと、ご親切な方からメールをいただいてしまったりします。
CP/Mに造詣の深い方からすれば、PIPを意味不明で片付けてしまうなどとんでもないこと、と思われるかもしれません。

確かに。
PIPは単に装置間のデータ転送を行なうだけではなく、パラメータによって転送データにいろいろな制限や加工を行なう機能も有しています。
それを一言で片付けてしまうなど許されないこと、かも知れません。

しかし。
私はCP/Mマシンの復刻版をつくろうとしているのではありません。
過去においては接点がなかったTK−80マシンとCP/Mですけれど、共にシンプルで加工しやすい構造であるがゆえに、こうやって連載の中で説明しておりますように、自在に融合させてしまうことができますよ、というところに注目していただきたいのです。
何がなんでも、かってのCP/Mマシンと同じものを作り上げよう、というのが目的では決してありません。

おお。
良い言葉がありました。
温故知新。
そういうことなのです。

かってのCP/Mマシンがそうであったのに習って、外部にフロッピーディスク装置を接続するなどと考えるのではなくて、またキーボードやディスプレイ装置を接続するのではなくて、せっかくND80ZVのZB3BASICがWindowsマシンとUSB接続して、そのキーボード入力やディスプレイ出力を、BASICの入出力装置としてちゃっかり利用してしまっているのをさらに発展させて、Windowsマシンのハードディスク内に仮想フロッピーディスクドライブを設けるようなシステムを考えたところも、そういう気持ちがもとになっています。

そういう気持ちからしますと、「PIPはいただけないなあ」という結論になってしまいます。
おそらく、CP/Mやその他の初期のパソコンシステムに親しんでみえた方を除いては、PIPというコマンドを知る人はいないのではありますまいか。
ええ。
もちろんかく言う私も、前記のCP/M解説書を読む前は全く知りませんでした。

そういう現状から考えますと。

CP/MではPIPというコマンドを使いました。
ですから皆様もこれからはPIPコマンドを覚えて活用いたしましょう。

などというのは、ちょっとアナクロのにおいがしてしまいます(注。アナログの誤記ではありませぬ)。
え?
ND80ZVがもう十分にアナクロですと。
わははは(ここは、笑うしかありませぬ)。

ワンボードマイコンでCP/Mを![第176回]
2012.7.18upload

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