2016.8.24
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マイコン独立大作戦
CRTインターフェースボードの製作

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WindowsパソコンにUSB接続して使う現行方式はそれなりに便利ではありますが、ときとしてWindows
のしがらみから開放されて、小さいながらも独立した一個のパソコンとして機能したいと思うこともあります。
昔はそれが普通のことだったのですが、安価なCRTディスプレイが生産中止となって久しい今日ではそれ
は叶わぬことと諦めていたのですが…。
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[第2回]


●そうか!家庭用液晶TVか!

もう1年以上も前のことになってしまいましたが、当社の昔のボードを入手された方からメールで質問をいただきました。
CRTインターフェース回路を搭載したBASICボードでZB11V2という製品です。
1994年から2000年頃まで販売していました。
それをオークションで入手されたのだそうです。
うーん。
中日電工製のボードがオークションに出てたのですか?
ちょっと信じられませんね。

それはともかくとしまして、ちょっと表示におかしいところがあるというので、写真をメールに添付してのご質問です。
その写真を拝見しましたところ、確かに表示におかしいところはあるのですけれど、なかなかきれいな表示です。
メールの説明を読んで、えっと思いました。
家庭用の液晶TVに表示した写真だったからです。

ZB11V2のディスプレイ信号はCRTディスプレイ用の信号ですが、家庭用のビデオモニタ信号に近いコンポジットビデオ信号で、最近のTVではついていないものも多くなりましたが[第15回]参照)、昔からある映像と音声が別々になったビデオ入力端子に接続すると、一応は表示させることができます。
とはいえ厳密にはTV用のコンポジットビデオ信号に比べると信号に甘いところもあって、それに加えて昔の家庭用TVは文字を表示するのに適したものではありませんでしたので、前回書きましたように、文字がぼけてしまってたとえばBと8の区別がつかないというような程度の表示しかできませんでした。

こういうことを書きますと、スーパーマリオだって普通のTVに接続して表示していましたよぉ、なんて言われるかもしれません。
昔のゲームの画面などとは文字表示の細かさが違うのです。
1文字の横方向のドット数が8ドットでそれを1行80字表示するには水平方向に640ドットの細かい表示が必要なのです。
家庭用のTVではせいぜいその半分の320ドットぐらいの表示でないと文字をはっきり判読することはできません。

そういうことを経験しておりましたので、マイコン用のCRTディスプレイが入手しにくくなってきても、その代わりに家庭用TVを使うという考えはありませんでした。
しかし。
時代は変わっていたのですよねえ。
いつしかブラウン管TVは駆逐されてしまって大画面の液晶TVが普通になってしまいました。
それもワイドで鮮明な画像が見られる地上波デジタル放送の時代になっていたのでした。

おお。
そうだったのでした。
昔のプラウン管TVはアナログ電波で送られてくる映像を表示するためのものだったのですが、今やデジタル信号を表示するのが目的の液晶TVになったのですから、地上波デジタル放送の画面を表示できるのでしたら、640ドットぐらいの表示は楽にできて当たり前、と気付くべきでありました。
目からウロコとはまさにこのことです。

ま。もっとも、地上波デジタル放送はコンポジットビデオ信号のようなゆるい規格ではありませんから、ビデオ入力端子を経由しての画像表示がそれほど鮮明にできるというものでもありませんでしょう。
しかし。
メールに添付していただいた写真は当社のZB11V2のビデオ信号を家庭用の液晶TVのビデオ入力端子に接続したものと思われますから、その写真を見る限りには、それだけはっきり表示できれば十分でありましょう。

そういうことならば、我が家にだって液晶TVはあります。
確認してみましたところ幸いにもビデオ入力端子がついておりました!
しかし。
残念なことに、もう手元にはZB11V2も、そのほかにビデオ信号出力ができるボードは残っておりませんでした。
どこかをさがせばひょっとすると出てくるかもしれませんが、なにしろ15年以上も昔のボードですので、ちょっと期待はできません。

無いならば、作るしかありませんでしょう。
ええ。
とりあえず。
試作品、仮テスト版を作ってしまいました。
メールでZB11V2の表示画面の写真をいただいてから、およそ1年経って、やっと試作品の製作にこぎつけました。
なかなかじっくり試作しているだけの時間がなかったのです。

その回路などについては、また次回以降にゆっくりと説明することにいたしまして。
まずは、そのようにして試作基板を作って我が家の液晶TVに表示してみたときの写真です。

写真の日付を見ましたら今年の4月初めの写真でした。
この写真を撮ってから、もう5ヶ月近くが経ってしまいました。
やっと試作したものの、そのあとまたずっと時間がなくて、このままになっておりました。
5ヶ月たって、ようやく作業再開です。

もう1枚。
こちらも同じ時に撮った写真です。

2枚の写真を比べて見て、表示されている文字の違いがわかりますでしょうか?
先の写真はMZ80のキャラクタで、こちらはPC8001のキャラクタです。

CRTインターフェースボードの製作[第2回]
2016.8.24upload

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