ワンボードマイコンをつくろう!(パソコンの原点はここから始まった)
TK80ソフトコンパチブル!8080、Z80マシン語からBASICまでこれ1台でこなせます
当記事は2009年11月から「TTLでCPUをつくろう!」というタイトルの もとにほとんど毎日連載をしてきたものを再編集したものです。 |
2011.6.26 前へ 次へ 目次へ戻る ホームページトップへ戻る |
☆それは特注品の試作から始まりました TK80コンパチブルで、その上中日電工オリジナルのND80Zとしても動作するというZ80CPUのワンボードマイコンを企画し、その開発準備をしていたところに、ND80Zの特注品の開発依頼をいただきました。 |
[第2回]
●Z80版TK80の試作テストをしました
本日はちょっと予定を変更して、試作版についてのお話です。
じつは、ある学校様から特注品のご依頼をいただきました。
最初は、ワンボードマイコンND80Kで、というお話だったのですが、先生のご希望をお聞きしているうちに、それならいっそのこと、私が作ろうと考えている、Z80版TK80を作ってしまったほうが、先生がお考えになっている条件に合うのではないか、と思いましたので、そのようにご提案をさせていただきました。
本当は、当初から計画していた、私が考えているZ80版TK80(TK80クローンボード)をそのまま作って納入することができれば、私にとっては一番ありがたいのですけれど、残念ながら、ここのところずっと説明をしております、PICのUSB(HIDクラス)のプログラムがまだ未完成で(そのお話しはTTLでCPUをつくろう[第394回]から始まります)、その完成を待っていては納期に間に合いません。
また、先生のご希望の機能が、私がスタンダードとして考えている機能とは、少し異なっていますので、いわばカスタムの仕様になります。
逆に考えれば、カスタム品ということならば、お客様のご希望通りの仕様で作ればよろしいので、そういうことならば、すぐにでも作ることができます(先生のご希望は、USBではなくて、普通のRS232C通信機能が欲しい、ということでした)。
あ。もちろん、ご希望の内容によっては、すぐに作るわけにはいかないものも当然出てくるわけですが、今回の仕様は幸いにして、RS232Cはもちろんのこと、その他においても、私の過去の「引き出し」に全て入っている内容でしたので、「それなら、先生、カスタムで作ってしまいますよ」というお話を申し上げて、それで、ご発注をいただきました。
世の中はよくしたもので、いずれ作るつもりでしたのに、USBでもたもたしていてなかなか取りかかれずにいましたら、なんだか背中を押されてしまったようです。
Z80については、それこそ目をつぶっていても扱える、ほどの自信はありましたけれど、ここ10年ほどは、ずっと川鉄のKL5C8012を使ってきましたので、ちょっとサビついてしまっているかもしれません。
手順としては、まずは試作基板を作って、それで動作の確認をしてから、本番製作を、という段取りになるところなのですけれど、今回は、TK80モニタをそのままのっける、というところをまずクリアしなければなりません。
創業以来ずっと長いこと、「TK80コンパチ」ということで、ワンボードマイコンを作ってきましたけれど、よくよく考えてみると、最初の8080CPUのND80を除いては、TK80に近い動作をさせてはいたものの、モニタプログラムそのものは、TK80のそれではなくて、当社が独自に開発してきたプログラムを使ってきました。
つまり、MYCPU80でやったような、「TK80モニタプログラムそのもので動作するZ80のワンボードマイコン」は、実は作ったことが無かった、のです。
当然、ハード回路も異なりますから、TK80モニタプログラムに合わせて、ハード回路を考えなければなりません。
そりゃあ、そのように考えて、さっそく回路は考えましたよ。
ですけれど、それはあくまで、紙の上での回路の話。
それで動くかどうかは、実際に回路を組んで、動かしてみないことにはわかりません。
そのための試作基板ですから、とりあえず考えた回路図にしたがって試作基板を作って、それで試してみればよいのですけれど、今回はちょっと納期に余裕がないので、試作基板ができるまでなにもしないで待っている、というわけにはいきません。
ともかく、まずは実際に作って、試してみるのが一番です。
というわけで、試作基板の前の「プレ試作版」を作ってしまいました。
CPU(Z80)と、ROM、RAM、82C55の部分は、当社のZ80汎用基板を利用しました。
7segmentLED表示回路と、5×5キーボード回路は、MYCPU80基板の「TK80回路」がそのまま利用できますから、MYCPU80の試作基板をその部分だけ切り取って使いました。
あ。もちろん、本番ではもっと大きいキースイッチを使います。今回は、いわば「廃物利用」です。
ご覧の通り、LED表示も、キー入力も、うまくいきました。
こちらは基板裏の配線の様子です。
CPUとROM、RAM部分の写真です。
CPUはZ80(東芝TMPZ84C00)です。ROMはMYCPU80キットのものをそのまま使いました。
I/Oアドレスなどごく一部の変更を除いて、オリジナルのTK80モニタプログラムと同じです。
モニタプログラムリストはTTLでCPUをつくろう[第241回]にあります。
●試作基板の作図が完了しました
「試作の前の試作」をして、動作の確認ができましたので、さっそく試作基板のアートワークに取りかかりました。
過去のZ80トレーニングボードは、TK80にこだわらず、独自に工夫したオリジナルの回路であったために、基板サイズもコンパクトにできていたのですが、TK80そのまま、ということにこだわると、結構大きな基板になってしまいます。
作図を完了したZ80版TK80の試作基板のアートワーク図です。
横230mm×縦180mmになりました。
CPUをつくろう!第433回(2010.2.11upload)を再編集
ワンボードマイコンをつくろう![第2回]
2011.6.26upload
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