2015.3.17
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トランジスタでCPUをつくろう!
トランジスタで8080をつくってしまおうというまさにびっくり仰天、狂気のプロジェクトです!
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見事にできましたら、もちろんTK−80モニタを乗せて、それからBASIC、CP/Mを走らせましょう!
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[第13回]


●20MHz水晶発振回路

[第7回]をお読みになった方からメールをいただきました。
水晶両端のコンデンサを270pFにしないとうまく発振しないことと、ゲート抵抗を10Ωにすると発振が止まってしまうことについて、その理由は2N7000とBSS84のコンプリメンタリ回路を計算するとミラー効果のため見かけの入力容量が過大になっているからです、とのご指摘をいただきました。
MOSFETのデータシートの数値を使った計算式も書いていただきましたが、私には残念ながら理解することができませんでした。
この方のご指摘によりますと、2N7000はデータから見ると水晶発振には適していないとのことです。

さらに水晶の両端のコンデンサに270pFを使うと、水晶に最大定格を越える電流が流れて水晶が破損する可能性があります、とのご指摘もいただきました。
これも計算式でご説明をいただきましたが、私には残念ながら理解できませんでした。

私は今まで水晶発振回路を安易に考えていて、カットアンドトライで適当にやってきたのですが、やはりしっかり計算で求めてみなくてはいけないようです。
とはいえ悲しいことにその計算式が理解できません。

なにか参考になるものはないだろうかということで、水晶発振子のメーカーのサイトをあちこちたずねてみましたら、水晶発振回路の負性抵抗というものを測定して回路の適否を判断する、という簡便な方法があることがわかりました。
その方法は発振回路の水晶に直列に可変抵抗を入れてオシロで発振波形を観測し、可変抵抗を変化させていって、発振が止まったときの可変抵抗の値が負性抵抗になる、というものです。

もっともその前提としては水晶の等価抵抗の値がベースになっていますので、それがわからないことには正確なことはわかりません。
ましかしアバウトなところで等価抵抗の値が50Ω〜100Ωだと仮定して、負性抵抗の値がその5倍以上あればつまり負性抵抗が250Ω〜500Ω程度あれば、その回路は適切な回路であるということのようです。
それではというので4MHz発振回路をその方法で測ってみましたらせいぜい百数十Ω程度しかないことがわかりました。

これを改善するにはコンデンサの値を小さくせよ、とのことですが、小さくしたら発振しませんから、それは無理です。
できないときはアンプが不適当なので適切なアンプを選びなさい、とのことです。
やはりメールでご指摘いただいた通り、2N7000は水晶発振回路には不適当な石のようです。

メールでご指摘をいただいた東京都のY様。
大変貴重なご意見をお寄せいただき有難うございました。
今後ともご支援ご鞭撻いただきますようお願いいたします。

さてそうは言いましても、もう2N7000しかないのです。
ほかにもありますけれど、とてもコストが合いません。
そこでこのような結果であります以上、トランジスタ版MYCPU80のクロック源としては残念ながらMOSFETの水晶発振回路は不適当です、という理由で、MYCPU80組立キットやND80ZV(ND80Z3.5)組立キットで使っているのと同じ、74HCU04による水晶発振回路にすることにいたします。
無理なものは仕方がありませんから、ここは無理をしないで、安定したクロック回路でいくことにいたします。

という結論に至ったのですけれど、実はメールをいただく前に20MHzの水晶発振回路も作って試しておりました。
今となりましては無理無理でかつ無意味な回路なのですけれど、せっかく作って写真まで撮ったものですから、試行錯誤の過程の記念としまして、恥ずかしながら見ていただくことといたします。

こちらが回路図です。

クリスタルの値以外は12MHz回路と同じです。

発振回路だけを作った段階で電流を測りました。


そのときの出力波形です。


次段のインバータ回路も実装しました。


次段のインバータ回路も含めて電流を測定しました。


そのときの波形です。

上側(CH1)が水晶発振回路の出力波形で下側(CH2)が次段インバータ回路の出力波形です。

水平軸を20ns/divに拡大しました。

さすがに発振回路の出力波形はちょっと苦しいですが、次段インバータ回路の出力波形はしっかり5V近く振れています。
これなら20MHzまではなんとか使えそうです。

トランジスタでCPUをつくろう![第13回]
2015.3.17upload

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