2017.11.19
前へ
次へ
ホームページトップへ戻る

標準TTLだけ(!)でCPUをつくろう!(組立てキットです!)
(ホントは74HC、CMOSなんだけど…)
やっと(!)MYCPU80の改良型基板製作に着手しました!!





[第827回]

●MYCPU80に接続しました

前回までのところで、MYCPU80の改良版を製作するために、MYCPU80の左側部分、TK80の回路だけを分離して、そこにZ80CPUを実装した基板を作りました。
結果としてその基板は機能的にはND80Z3.5と同等のものとなりました。
基板サイズの関係で82C55は実装していませんが、それはI/O拡張コネクタに増設用の82C55ボードを接続すればよいので、そのようにした場合には全くND80Z3.5と同等の機能となります。
いえ。
今回説明する機能を含めるとND80Z3.5を越える機能ということになります。

もともと今回はND80Z3.5の同等品をつくることが目的ではありません。
あくまでMYCPU80の改良版を製作することが目的です。
その目的のひとつとして、MYCPU80の左側部分の回路を改良するために、まずはその部分を分離独立させた基板を作ったのでした。
その基板が結果としてND80Z3.5と同等の回路基板となり、そして前回までのところではZ80CPUを実装して、正常に動作することが確認できました。

そこで、いよいよ本来の目的のMYCPU80上での動作の確認作業にかかりました。
MYCPU80はソフトウェアとしては8080互換ですが、ハードウェア互換ということではありません。
今までのMYCPU80に搭載しているTK80回路は8080やZ80と接続して動作することを意識したものではなくて、あくまでMYCPU80とハード的に接続して動作するように考えてあります。
MYCPU80も(MYCPU80ボード上の)TK80回路が動作するのに必要な信号を生成しています。
勿論MYCPU80は外部にI/Oやメモリを増設できるように、そのための制御信号などを増設用のコネクタに出力しています。
しかしTK80の場合にはただの増設回路とはちょっと異なった回路が必要です。
具体的に言いますと、TK80の7セグメントLED表示回路はDMA(Dynamic Memory Access)方式を使っていて、1秒間に数百回程度短い時間CPUのメモリアクセスを禁止しておいて、その短い時間にRAMに直接アクセスしてLEDの表示データを読み出して、それをLED表示回路に送る、という回路になっています。
ところが現行のMYCPU80は8080のハードにとらわれずに、7セグメント表示回路に都合の良い信号を独自に作り出すことが可能なために、MYCPU80上のTK80の7セグメント表示回路はDMA方式を使っていません。
MYCPU80の場合にはCPU回路がメモリから命令コードを読み出してラッチしたあと、内部の命令解読回路でそれをデコードして実行に移すまでの間は外部バスは空いています。
そこでそのタイミングを示すパルスを7セグメント表示回路に送って、その信号でRAMにアクセスしています。
これはZ80が命令の内部処理期間に空きになる外部アドレスバスにダイナミックRAMのためのリフレッシュアドレスを出力しているのと同じ、サイクルスチール方式です。
この方式の場合CPUはプログラムの実行を停止しないため、実行速度が落ちません。

MYCPU80のそのサイクルスチールパルス信号は右側のCPU回路から左側のTK80回路に直接送っているために、外部バスコネクタに配線されていません。
ここのところはMYCPU80回路から直接取り出すしかないようです。
そのあたりのところがちょいとやっかいだなあと思っていたのですが、案の定そこのところでつかえてしまいました。
あれこれ試行錯誤した後になんとかクリアできましたが、せっかくZ80では動作したND80Z3.5相当の回路基板を、そのために一部変更しなければならないことになってしまいました。

それはともかくとしまして、そのように回路を手直しした結果、やっとMYCPU80と接続した状態でも動くようになった試作基板の写真です。

写真上部に少し見えているのはMYCPU80です。
MYCPU80とは26pinフラットケーブルと16pinフラットケーブルで接続しています。
上で説明しましたサイクルスチール信号は26pinフラットケーブルの下方を斜めに走っている2本のケーブルで接続しています。
26pinフラットケーブルに一部隠れていますが、Z80実装用の40pinICソケットは空になっています。
今この基板はZ80ではなくてMYCPU80(8080互換CPU)で動いているのです。

もう少しカメラを引いて撮影しました。


MYCPU80とND80Z3.5相当の試作基板を接続して動作テスト中の全体写真です。


TTLでCPUをつくろう![第827回]

2017.11.19upload

前へ
次へ
ホームページトップへ戻る