標準TTLだけ(!)でCPUをつくろう!(組立てキットです!)
(ホントは74HC、CMOSなんだけど…)
やっと(!)MYCPU80の改良型基板製作に着手しました!!
[第867回]
●さすがは日立
今朝(3/19朝)になりましてから、前回の終わりのところを少し書き足しました。
もし追加前の記事しかお読みになっていないようでしたら、ご再読ください。
さて、ひょっとしたらMBASICのLOADが一般的なLOADとはどこか違っているのではないか、と疑ってみたのですが、ログを確認してみて、別に他と変わるところがないことが明らかになりました。
こうなると手のつけようがありません。
今までのところをおさらいしてみますと。
ND80Z3/MC80にZ80CPUを実装してWindowsパソコンとUSB接続してN8ZB3DOSを起動してMBASICを起動してSTARTREKをLOADし、それを実行することもLIST出力することも正常に行なわれます。
ところがND80Z3/MC80からZ80CPUを外して、代わりにMYCPU80Bを接続して同じことをするとSTARTREKのLOADで異常終了してしまいます。
念のために以前のMYCPU80を接続して試してみたのですが、同じ結果になりました。
CPUクロックが遅いことが何か関係しているのかとも思ったのですが、同じ2MHzのND8080では同じことが正常に行なわれます。
ちょっとありえないことがおきているように思いましたが、現象からするとどうもノイズによる誤動作のような気がします。
それでノイズに弱そうなところの補強を考えるとともに、ひょっとしたらRAMによっても何か違いが出るかもしれないと思い、手元にあったRAM(62256)をとっかえひっかえ試してみました。
なかなかに手間と時間がかかるしんどい作業です。
ため息をつきながら繰り返し同じ作業を続けていくうちに、あれっ?と思うときが出てきました。
何だか今までとは様子が違って、かなりいい線まで進みます。
これは?
確認してみましたら、日立のHM62256でした。
かっての一時期世界の半導体市場、とりわけROMとRAMの市場は日本勢が他を圧倒していました。
その技術力は群を抜いていた、と私は信じています。
しかしかっての王者であった日立も富士通も、そしてその他の日本の半導体メーカーも全てROM、RAMの市場から手を引いてしまいました。
実に実に残念なことです。
今ではND80Z3.5やMYCPU80、ND8080に使っております62256(32KBのSRAM)も、ことに以前の28pinDIP型は国内ではなかなか入手できません。
でも海外ではまだ生産しているメーカーがあります(このところの日本は本当におかしいです)。
ですのでMYCPU80もND80Z3.5もND8080も海外から調達した海外製の62256を搭載しています。
今回のトラブルを経験して、それを克服しようと試行錯誤を続けている過程でたまたま手元に残っていた日立のHM62256を試してみて、あらためてその優秀さを再認識しました。
確かにさらなるノイズ対策は必要ではありましたが、心当たりのあるところにしかるべく対策をほどこしただけで、HM62256を実装したND80Z3/MC80+MYCPU80Bは、STARTREKを何事もなくロードできて、それを実行することもLIST表示をすることも問題なくクリアしてくれました。
今まで泥沼でもがいていたことがまるで夢のようです。
さすがは日立。
もう日立様様大明神様です。
念のために海外製のRAMに交換してみますと、やっぱり見事にSTARTREKのLOADでこけてしまいます。
しかしこのRAMに問題があるわけではありません。
普通に使っている分には何の問題もなく動作してくれています。
おそらくノイズに対する耐性のようなもののレベルが違うのでありましょう。
いえ。
あるいは日立のHM62256は製造年も古く、写真にありますようにアクセスタイムも85nsと100nsです(HM62256ALP−8のアクセスタイムは85nsです)。
対する海外製(ALLIANCE MEMORY,INC.製)は70nsです。
アクセスタイムが速いということは、ノイズにも反応しやすいとも言えます。
そういうことが関係しているのかもしれません。
実は手元にはALLIANCE社製以外の海外製の62256も2〜3種残っているのですが(いずれも70ns)、それらを試してみた結果はALLIANCE製とほぼ同じ結果になりました。
そういうことならば、なんとかして日立のRAMを調達できれば、とりあえずこの問題は解決できそうです。
さっそくインターネットを検索し、なんとかみつかったHM62256をまずは試しにオーダーいたしました。
これにて一件落着です。
なのですけれど。
どうにも面白くないのですよねえ。
確かに、HM62256を実装すればとりあえず問題は解決しそうです。
それはそれで間違った考えではありません。
そういうことのために規格とかスペックとかがあるわけですから、今回のケースでは海外製は合わなくて、日立ならよい、という結論を出してもいけないことはありません。
むしろ賢明な、現実に即した良策かもしれません。
しかし…。
面白くありませんねえ。
なにしろSTARTREKのロードとLIST表示だけなのですから。
なんとかしたいじゃありませんか。
それに。
もしHM62256が入手できなくなったら。
どうするの?
次回に続きます。
TTLでCPUをつくろう![第867回]
2018.3.19upload
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