2018.7.26
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KL5C80A12マイコンボードの製作

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KL5C80A12はZ80互換の高速高性能8ビットマイクロコントローラです。
残念なことに数年前に生産中止になってしまいました。
しかし当社ではKL5C80A12を使った組込みマイコンボードはまだ健在です。
そのKL5C80A12を使ったND80Z3.5上位互換マイコンボードの製作記事です。
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[第24回]


●USBインターフェース

[第21回]で「ZBKV3BASICをND80KL/86システムに組み込むためには越えなければならない壁があります」と書いたのは、USBインターフェースについての問題です。
ND80Z3.5やND8080ではWindowsパソコンとUSB接続してBASICなどを実行しますが、そのUSBインターフェースとしては自前で開発してPIC18F14K50に実装しております、HIDUSBインターフェースを使っています。
ZBKシリーズのボードはスタンダードではWindowsパソコンと接続する機能はついていません。
Windowsパソコンと接続するには、ZBK開発セットと組み合わせることで、その機能を実現しています。
これがZBK開発セットの基板です。

USBインターフェースと27C1001WRITERが一体になっています。
基板左端近くにある小さい正方形のICがUSBインターフェース(FTDI社のFT245RL)です。
ZBK開発セットを作った当時はWindowsパソコンとUSB接続するにはFT245RLか初代MYCPU80に搭載したFT232RLを使うしかありませんでした。
FT245RLはUSBパラレル変換でFT232RLはUSBシリアル変換ですが、いずれもWindows側から見ると232Cポートに見えるために、ソフトウェアとしては232C通信ソフトが使えるという利点がありました。
ところがこのFT245RL(FT232RLも同じ)はなかなかに曲者で、これを使うためにはドライバを組み込む必要があるのですが、そのドライバがWindowsのバージョンによって異なるという厄介なところがありました。
ま、もっともそれはFTDI社のせいというよりはWindowsがけしからぬのですけれど、特にWindows98あたりではなかなかドライバがうまく働いてくれずに苦労したものです。
WindowsXPも苦労したように記憶しています。
この件についてはWindows7になってからは楽になりました。

いずれにしましても、今はPIC18F14K50に組み込んだ自前のHIDUSBインターフェースがあるのですから、この機会にそちらを使うようにしてしまいたい、というのがZBKV3BASICをKL5C80A12版ND80KL/98に組み込むにあたってどうしても実現したいキーポイントでした。
実現したいどころか、ND80KL/86ボードにはUSBインターフェースとしてそのPIC18F14K50を搭載しているのですから、それが実現できなければ、ZBKV3BASICをKL5C80A12版ND80KL/98に組み込むことは事実上できないことになってしまいます。
ところがこれがなかなかの難物なのです。
Windows側のソフトウェアはC++で書いているのですが、USBインターフェース部分の232C通信のソフトウェアと、HIDUSBインターフェースのソフトウェアとでは、まるで異なっていて、そのため232Cで送受信しているところをHIDUSBでの送受信に書き換えるためには、細部にわたって検討が必要でした。
実際[第21回]を書いたころは、まだそのあたりでカットアンドトライを繰り返していた時期で、なかなか思うようにBASICが動いてくれなくて悩んでおりました。
久しぶりにKL5C80A12版のソフトウェア作業を再開して、ここ数日でやっとそのあたりがほぐれてきたようです。
この調子なら、近日中にKL5C80A12版ND80KL/98上でZBKV3BASICが動くところを見ていただくことができそうです。

KL5C80A12マイコンボードの製作[第24回]
2018.7.26upload

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